vol.12
「ボディ補強について」
ビートのボディは他のオープンカーに比べましてかなりの高剛性ですが、どうしても屋根がない分シャシーの中心を軸にして折れたり、捩じれたりの動きが出たりしてしまいます。
走行距離が増えてヤレてきたりして、或いは強化サスを入れたりして、更にその傾向は年々大きくなっていると思います。
10万キロ近く走行したビートは大抵リヤフェンダーとサイドシルの継ぎ目のペイントが割れていると思いますが、これはかなりの確率でボディが動いていることによると思います。
特に幌ではなくてハードトップを取り付けていますと、ロールケージを組んでいないビートですと、ほぼ絶えずAピラーとトップの継目からミシミシといったきしみ音が聞こえてきます。
幌は柔らかくて融通が利きますが、ハードトップは硬いのでボディの変形についていけないからです。
サーキットを走ったり、ジムカーナをしたりしますと、このボディの変形は非常に問題になります。
激しい横Gが掛かったときにサスペンションが仕事をする前にボディがヨレていては車の動きが運転手に正確に伝わりにくいからです。
ではボディ剛性を向上させるのに最も効果があるのは何なのか?という話です。
現在、ビート用の色々なボディ補強パーツが多くリリースされています。
サスペンション周りに取り付ける物、代表的な物はタワーバーやロアアームバーといった物があります。
ボディ周りに取り付ける物、代表的な物はやはりロールバーやサイドバーといった物になります。
これまで、いろいろなビートに乗ってサーキットやジムカーナで走ってきた私の経験から忌憚無く言わせていただくと、ビートのボディの補強パーツで最も効果があるのはロールケージということになります。
しかも後4点式とかではなく、Aピラーに沿う形でフロント側にもバーがあるタイプです。
無限から販売されていたアルミ製のロールケージが価格を除けば、完成度は高かったと思います。
このタイプの欠点はスチール製だと非常に重くなってしまうということです。大体20キロぐらいになってしまうため、折角軽量化を進めてもボディ剛性確保と引き換えに、重量増となってしまいます。
絶対パワーの少ないビートには、いくら剛性が上がるといっても重たいパーツをたくさん装着するのはナンセンスです。
また車体の中央を補強しないで、サスペンション周りの剛性を無闇に高めてもほとんど意味はありません。視覚的効果は向上しますが・・・。
アルミもしくはスチールの4点ロールバーに追加でルーフにバーを装着してAピラーとつなぐいうのがコストパフォーマンスの高いパーツだと思います。