vol.07
「今後、発売予定のパーツについて」
前回のよもやま話で紹介させていただいたFCR3連キャブですが、無事ビートにも装着・シェイクダウンも完了し、ほぼセッティングも出てきました。少しTODAYの時より、スロージェットを大きくしたせいか、現時点での始動性はバツグンです。扱いにくさはほとんど無く、低・中速域のトルクも増え、高回転域でもかなりパンチの効いた加速を味わえます。
欠点といえば、ファーストアイドル時に足で回転を少し高めにしておかなければならない点と、燃費が少し悪くなることです。大体、2〜3km/L悪化しています。
さて、今回は現在開発中のビートのボディパーツについて紹介させていただきます。最近のエアロブームで完全に市民権を得た感のあるパーツですが、どちらかというと外観、見た目をよくする為だけの物が非常に多く、ビート用に販売されている所謂「エアロ」も一部を除いて、外観重視のドレスアップ物ばかりです。
現在、弊社で製作しているボディパーツは所謂「エアロ」とは一線を画した機能パーツとしての重要な役割を果たすべきパーツなのです。
ビートの機能的なボディパーツとして必要な事は何なのでしょうか?
弊社が考える事柄を以下に挙げてみましょう。
- エンジンルームの熱をいかに逃がすか
- 重い車重をいかに軽くするか
- 走行性能をいかに向上させるか
- エンジンの整備性をいかに良くするか
- 誰が見てもかっこよいか
1.に関してですが、ご存知のようにビートのエンジンルームは非常に狭く、全くと言ってよい程、放熱ができていません。そこで、フェラーリやMR2のように、室内とエンジンルームを窓で仕切れるハードトップを製作し、常にエンジンのメンテナンスリッドを外した状態にできるようにしています。当然、トランクリッドは前方に大きく伸ばさなくてはならないので、ハードトップ共々専用品となります。
また、リヤバンパーにも、できるだけ大きな開口部を設け、熱気をすばやく抜くようなデザインとなる予定です。
2.に関してですが、今回全てのボディパーツの製作をカーボンやFRPで行う予定ですので、リヤフェンダーを除いて全て純正のスチールやP.Pと交換ということになります。従いまして、かなり軽量化できると考えています。ちなみにドアは純正と同じ形状で製作します。
3.に関してですが、旧軽規格のビートはどうしても高さと長さに対して、 トレッドが狭く、せめて新軽規格ぐらいの幅があれば、コーナーリング性能もかなり向上するだろうということで、前後ブリスターフェンダーとして、各40mm程拡大する予定です。
4.に関してですが、①の説明通り、メンテナンスリッドがずっと外れた状態になりますので、トランクを開ければ、プラグ交換等の簡単なエンジンの整備は素早く行えると思います。
5.に関しては、見る人の感覚で左右されてしまうので何とも言えませんが、 ビートらしさは消したくないので、無理やりフェラーリに似せようというようなダサイ物にはしたくありません。ここまで読んでいただいて、レース好きの方はもうお気付きでしょうが、このようなボディメイクのコンセプトは現在のJGTCのレースに出ているNSXやMRSと同じなのです。
空力に関しては、さすがに風洞に入れたりはできませんので、パソコンでのシミュレートと完成後のモデファイで対処していく予定です。
価格などは全くの未定ですが、カーボンで作ってフルボディとなると・・・・・。
多分買っていただけるような奇特な方はほとんどおられないでしょう。
でも良いのです。ウチの商品開発のコンセプトは、「自分の欲しい物を作る」ですから・・・・・。